「部落探訪」埼玉訴訟 東京高裁が判決を維持

東京高裁前で「部落探訪」の削除を求める埼玉訴訟の控訴審で東京高裁は10月7日、一審のさいたま地裁判決を支持し被告の鳥取ループ・示現舎に対して埼玉県内の全28件の記事削除と個人原告への11万円の賠償を命じた。部落探訪をめぐっては大阪、新潟でも裁判が闘われているが、上級審である東京高裁が差別行為を明確に認定し、削除と賠償を命じたことは、2つの裁判にとっても大きな影響を与えると思われる。

控訴審では▽インターネットの特性として「閲覧者が芋づる式に各記事を閲覧する誘因」が大きいこと、▽「同和地区の記事を網羅的に閲覧することを勧める記載」があること、などを理由として、削除の範囲について「実効性を確保する観点から…各記事の全てについて認めるのが相当である」としたさいたま地裁の判決を維持し28件の記事全ての削除を命じた。

「部落探訪」の記事、写真、動画についても「差別意識を煽る目的をもってした行為である」としたさいたま地裁の判決をそのまま維持。「ウェブサイトへの掲載、書籍の出版、出版物への掲載、放送、上演、戯曲、映画化(いずれも一部を抽出しての掲載等を含む)等の一切の方法による公表をしてはならない」と命じた。

さらに「差別されない権利」についても「原告の不当な差別を受けることなく平穏な生活を送ることができる人格的な利益が侵害された」とするさいたま地裁の判決がそのまま維持した。

埼玉県連は判決にあたって声明を発表。全国各地で闘われているヘイト裁判や人権侵害に関連したさまざまな訴訟の大きな武器となると評価した。