Vol.324 国内外で孤立する高市首相だが批判すべき野党も…

“孤軍奮闘”とは、たったひとりで懸命に努力し、戦うことだとは思うのだが・・・最近の高市早苗首相を観ていると奮闘と言うよりは、孤独感半端ないって感じで、友達いないのかなぁ〜とついつい心配してしまう今日この頃である。

「日米同盟の強さを世界に示せた」と9月24日の各紙朝刊の1面トップを大見出しが踊った。国連総会出席のため訪米した高市首相が22日、ニューヨークでトランプ大統領との日米首脳会談を受けての大見出しである。

しかし、翌日にワシントンを公式訪問した中国の習近平国家主席との米中首脳会談でトランプ氏は、「歴史を振り返れば、共通の利益を追い求めるなかで、両国の人々は広大な海や数々の違いを超え結びついてきた。第2次世界大戦では同盟国にさえなった」と中国を持ち上げるスピーチがおこなわれた。

「え、前の日に高市さんが『日米同盟の強さ』を強調したにも関わらず・・・つぎの日になんとも」首をかしげる発言である。日本との同盟より、中国を同盟国呼ばわりとは・・・それを受けて習近平国家主席も、「第2次世界大戦で中国とアメリカはともにファシズムと戦った。まさに先ほど、トランプ大統領がおっしゃったようにこの歴史を中国人民は忘れないし、アメリカ国民も忘れない」とのエール交換だ。

米中が共に肩を並べて対決した相手、共に戦ったファシズムとは、ドイツでもイタリアでもなく、紛れもなく日本であり、侵略国家日本に対して、共に戦った米中を同盟国だと双方が称賛するという異例の会談となった。

これにはさすがに“鳩が豆鉄砲を食らったような顔”となったのが、高市首相だろう。

「アジアでも厳しさを増す中国の脅威に対しては、日米で緊密に連携し、対中政策を推し進めていきたい」と首脳間で意思疎通したものと受け取った高市首相だが、つぎの日には舌の根も乾かぬうちに“米中同盟国発言”とは驚愕したに違いない。

こうして、せっかく高市首相は日本プラス米国vs中国という図式を“世界に示せた”つもりだったというのに、当のトランプ氏からそれを覆されてしまったのだから始末が悪い。さぞかし悔しい思いをしての帰国となっただろう。

ひるがえって日本の政治は、自民党と内閣の改造人事が大きな話題のひとつである。
しかし、高市首相に心を許せる親友や忠誠を誓う側近、信頼できる仲間あるいは同志の集団などを持ち合わせていないのか、驚くほどに孤独、孤立しており、そういう意味においては、人脈のなさが浮き彫りとなった内閣改造と揶揄されている。

その特徴がもっとも端的に表されたのが、閣僚選びをなんとアンケート用紙による「書類審査」だと言うのだから前代未聞としか言いようがない。自由に自分で判断し、重宝するような“持ち駒”を持っていない高市首相は、飛車角と言った重要な骨格人事には触れず、マイナーチェンジのみにとどまらざるを得ず、結局は、 “お茶を濁して終了” という範囲に納まるという内閣改造となった。切り込みたいところにも切り込めない高市さんのなんとももどかしい現状が見て取れる。

普段から、人と会って対話したり議論するのが嫌いで、暇があれば公邸に引きこもって書類を読んだり、SNSで何時間もかけて長文を作成するなど、極度の孤独癖があることはよく知られていることだが、それにしても最大のライバルである林芳正氏だけは許せないのか、閣外とし、 “目の上のたんこぶ” とも指摘され続けていた参議院の要であった石井準一幹事長を外すという思い切った人事に踏み込んだ。

ここは高市カラー全開である。しかし、感情的な恨みだけを先行させ、彼を追い出すように仕向けたのは筋違いでもあり、結果、参議院での重要法案がなおさら通りにくくなって自分の首を絞めることになるという、それこそ “倍返し” が危惧されている。

林氏においても、閣外に置いたことで、自由に活動できる環境が出来たことで、来年総裁選において、自民党内のリベラル派を大きく林氏が、結集する可能性を高めることとなり、それに対抗する高市氏は、ますます右寄りの傾向を強めることとなるだろう。

問題はそれを批判し、追及すべき野党の存在だか、オウンゴールのような失策を重ねており、分裂・解体という危機的状況である。飛躍前の産みの苦しみだと思いたいが、その先、真のリベラル新党を作り上げて野党戦線を立て直す力はどこから湧くのだろうか。大いに期待したいが、その一歩が見当たらない。