「部落差別を撤廃するためには、どんな社会体制が望ましいのか?」という問い
コラム | 2026年4月28日
コラム | 2026年4月28日
「部落差別を撤廃するためには、どんな社会体制が望ましいのか?」という問いかけは、長い部落解放運動の永遠のテーマのように議論が積み重ねられてきた。
現段階で確認されている解放同盟の考え方は、1997年に確認された綱領にこう指摘されている。
「わが同盟の目的は、部落差別からの完全解放の実現にある。〜中略〜 部落解放の展望をこうした自主・共生の真に人権が確立された民主社会の中に見いだす。」としている。
部落差別からの解放の実現を“民主社会の中に”見いだすと記述されている。つまりは、現資本主義体制という社会体制において、部落差別の撤廃は可能であるとする考え方だ。それまでは、共産主義体制や社会主義という“国家像”を実現することによって、部落解放が展望されるとの見解を取った時期もあるが、現在では、今日の日本の社会体制においても部落差別の撤廃は可能であるとする見解を示していることになる。
しかし、資本主義か、共産主義か、と言った右と左との対立という社会体制そのものを棚上げしようという考え方が新たに登場してきている。つまり、右と左の対立という時代は終焉を迎え、「左右対立」から「上下対立」に社会は変化しているという考え方である。
その急先鋒として現れたのが、アメリカ・トランプ大統領の最大のライバルと称されている民主党の新星、ジェームズ・タラリコ氏(36歳)だ。
「この時代に“愛”は弱すぎないか?と問われ、こう答えました。私の信仰は“愛”こそがこの世界で最も強い力だと教えてくれている」と演説はスタートする。
牧師を目指した経験を活かし、トランプ大統領を支える共和党の政治家のようにキリスト教の教えを前面に打ち出しつつも、人工妊娠中絶を容認し、LGBTQの権利を擁護するなどリベラルな政策を掲げている。アメリカが直面する問題は「保守」対「リベラル」の“左右の分断”ではなく、富裕層による政治支配という“上下の分断”だというのが持論だそうだ。
“愛”を語る民主党「新星」タラリコ氏。「この国において真の闘いは“右派”対“左派”ではなく“上”対“下”である」。富裕層や大企業は批判の矛先をそらすために「左右」の対立を煽っていると主張するタラリコ氏。過激な言葉は使わず、「社会の結束」を訴える。
タラリコ氏の支持者たちは、「この国の分断に疲れました」「私は黒人で女性で同性愛者です。私たちを気にかけてくれているのがわかる。憎しみではなく慈愛に満ちた人だから」「彼は心からコミュニティのことを考えている。それに相手を攻撃しない」とトランプ大統領との違いは鮮明である。
“オバマの再来”とも呼ばれるタラリコ氏。「私たちは政党、人種、性別、宗教の垣根を越えて団結し、私たち自身とコミュニティに力を取り戻します」と演説する。批判の代わりに愛を語る政治家はアメリカの政治に新たな風を吹かせることができるのか。今後が期待されている。
これからの社会体制にとっても重要な視点に、修復不可能とも言われ“気候崩壊への危機”という人類共通の課題が横たわっている。あいつぐ豪雨、洪水、山火事の頻発や熱波による農業や畜産への悪影響、さらには、食料作物が壊滅的な打撃を受け、生産量が急激に低下、その被害は、飢餓、貧困が世界規模で大幅に悪化するという事態を迎えようとしている。
この“気候崩壊への危機”に対して、富める者は優雅な生活水準を今後も享受し続け、逆に環境弱者・難民は厳しい“気候ファシズム”という暴風に巻き込まれながら生活崩壊への道をたどると言われている。1%の強者と99%の弱者の格差はますます増大し、環境ー社会崩壊をまえに、命が選別されるという時代を迎えてしまうことになるかも知れないという人類崩壊への最悪なシナリオである。
それは、もはや人類全員を救う道などなく、むしろ自分たちの利害のみに関心を持ち、それをさらに莫大な資産へと強化するため、新しい収奪型の経済へ移行しようとしていると言うのである。“保守か、革新か”、と言われた左右対立の社会が、現代はそれが根底から変化し、富める者と貧しく者との上下社会に変化している。
こうした富を享受する者は、きわめて限られた一部のひとたちに富が集中するという結果をもたらしている。明らかに従来と違う“テクノ資本主義”とも言うべき新たな時代が到来してきている。根本的に変化をしている社会体制にわたしたちは、生きているという現状を確認しなければならないようである。