Vol.133 結成から6年のふーどばんくOSAKA 7月5日に食生活の転換問うシンポ 

京都発のチャリティー専門ファッションブランド「JAMMIN(ジャミン)」が、フードバンク関西さん(兵庫)と1週間限定でキャンペーンを実施し、オリジナルのチャリティーアイテムを販売すると報道されている。「JAMMIN×フードバンク関西」コラボアイテムを1アイテム買うごとに、700円がフードバンク関西へとチャリティーされ、廃棄される食品を救出し、食料を必要とするところへ無償で届けるための資金になると訴えている。

「JAMMIN×フードバンク関西」1週間限定のチャリティーデザイン・ベーシックTシャツはカラーが全8色、価格は3,400円。デザインに描かれているのは、袋にいっぱい入った食ベ物が、手から手へと渡される姿。食べ物をつなぎ、いのちをつなぐフードバンク関西の活動をストレートに表現したものとなっているとのこと。フードバンク活動の持続可能な運営のためのフードバンク関西さんのアイデアであり、資金集めに四苦八苦しているわがふーどばんくOSAKAとしても参考にさせてもらいたい知恵と工夫である。

日本国内では、1年間に投入される食資源は9千万トンだそうであり、そのおよそ三分の一が食品廃棄物として排出され、その中でまだ食べられるのに廃棄されてしまう食品(食品ロスと呼ぶ)は、年間500万〜800万トンも言われている。その一方で、日本のコメの収穫量は年間約850万トン。つまり、まだ食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう食品(食品ロス)の量と、コメの収穫量が、ほぼ同じという現状だそうだ。

全体の食品ロスのほんの数パーセントではあるが、本来なら廃棄されるはずの食品の提供を受け、食料を必要とするところに無償で届ける活動、いわゆるフードバンク活動により、「食品ロス」と「空腹の人」の両方を減らし、環境と人に優しい社会を目指してふーどばんくOSAKAの結成から6年を迎えようとしている。

最近では、家庭から捨てられる生ごみの4分の1が手つかずの食品で、その中のさらに4分の1は賞味期限が切れていないという調査結果が公表されている。
個人から、食べきれない食品・余った食品を持ち寄り、ふーどばんくOSAKAがそれを回収する「フードドライブ」という活動も呼びかけており、大阪各地のダイエーの店舗でも「フードドライブ」にとりくんでもらっている。

2018年5月現在では、食品を提供していただいた企業が155社、個人からの提供189、あわせると344もの企業や個人から食品を提供して頂いたことになる。

また、食料品の配布先では、最近急激に増えてきている子ども食堂へは106団体に食品を届けており、その他障がい者施設や生活困窮者支援団体、刑余者支援の団体などあわせて約300団体に食品を提供している。
年度別での食品の取り扱い量は、2015年度で92トン、2016年度が158トン、そして昨年の2017年度205トンと右肩上がりに取り扱い量を増やしてきている。

「支援を必要とするひとたちに無償分配する」という約束のもと、企業との間に信頼関係を築き上げ、食品を寄付していただく。また、受けとった施設や団体さんは、申し合わせ事項にもとづき賞味期限内での活用はもとより、安全安心な調理方法や工夫で、子どもやお年寄りに食品を提供するというルールを確立してきたところである。

食品ロスを減らし、必要としている人に届けるというフードバンク活動ではあるが、日本国内でこの活動が広がらない背景には、法整備の遅れという課題がある。アメリカ、カナダやヨーロッパ諸国、韓国では、食品メーカーに対して、食べられるけれど商品価値のないものは寄付を促す法律が存在するといわれている。フードバンクに余剰食品が流れるような仕組みができており、日本はこういった法整備がまだまだ不十分だといわざるを得ない。

また、企業がフードバンクに寄付した場合の税制優遇という点においても遅れており、各地で取り組まれているフードバンク団体の資金難は共通の課題であり、持続可能な運営のためにも企業からの寄付や行政的な事業補助など、早急なる検討が求められる。

結成から6年。こうしたフードバンク活動のさらなる普及宣伝を目的に7月5日ドーンセンターで、「食品ロス削減『子どもの貧困』を考えるシンポジウム」の開催が決定。まだ食べられる食品を次から次へと廃棄しても良いのか、という根本的な食生活の転換を求める集会を開催する。多くの方の来場を歓迎する。