府連が「部落探訪」の削除を求めた裁判で、鳥取ループ・示現舎が裁判を自分の居住地の
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大阪府の吉村洋文知事と府連との政策懇談会が5月18日、府庁横の知事公館でおこなわれた。吉村知事は昨年制定された「ネット上の差別等防止条例」の具体化に向けて、削除要請の拡充、発信者への注意喚起などのとりくみを実施するにあたって「第三者機関」を設置すること。さらに「条例」の見直しについても検討を進めていくとの姿勢を示した。
赤井委員長があいさつで「昨年、大阪府議会で「ネット上の差別等防止条例」が制定されたが、到達点ではなく、1段階、2段階バージョンアップさせていただきたい」などと求めた。
髙橋定書記長が懇談のテーマを提起。①有識者会議のとりまとめを踏まえて、「ネット上の差別等防止条例」の改正を視野に入れた対策の充実、②「大阪・関西万博」の開催にあたって、大阪府として進めてきた部落問題をはじめ人権課題の解決にむけたとりくみの発信・啓発、③「第5期大阪府地域福祉支援計画」の改定にあたって、部落問題解決の視点の反映、④SNSでの裏アカウント調査に関して、実態把握などの働きかけ、などについて回答を求めた。
主な回答は以下のとおり。
▽昨年「ネット上の誹謗中傷防止条例」を制定し、有識者会議で実効性あるとりくみを検討してきた。取りまとめを踏まえて、削除要請の拡充、発信者への注意喚起などを実施し、府が実施するにあたって第三者機関を設置することとしている。これらのとりくみは根拠を明確にした上で実施することが適切であり、条例の見直しについても検討を進めていく。
▽2025年の「大阪・関西万博」ではSDGsの理念にもとづき誰一人取り残さない社会の実現をめざしている。150を超える国・地域が参加する万博で大阪の人権施策のとりくみを発信することは、SDGsの理念にも合致し意義あるもの。より効果的な啓発につながるとりくみを検討していく。
▽「地域福祉支援計画」の改定にあたっては、従来の制度の枠組みを超え多様な機関・団体と連携した包括的な支援が重要。隣保館は地域住民からの相談事業等を通じて、根幹な課題の把握・解決にとりくんできた実績があり、重層的な支援体制を整備していく上で隣保館を含む様々な主体と連携・協働していくことが重要。次期、計画においても引き続き隣保館の機能、役割について明記していく。
▽SNS調査・裏アカウント調査に関しては、職業安定法、同指針において社会的差別の原因となる事項、思想信条等収集してはならない個人情報が規定されており、これらの情報が収集され、採用選考に使われた場合はSNS調査、裏アカウント調査に限らず就職差別につながると認識している。公正採用雇用促進会議や大学等就職問題連絡協議会などを通じて、就職差別につながることのないよう要請するとともに、大阪労働局と連携し実態把握について議論していく。
これらの回答を受けて赤井委員長は「条例の見直しに言及してくれた。効果ある条例になるよう期待したい」とした上で、「議員提案でできた条例を理事者側がバージョンアップさせるというのは例がなかったのではないか」とのべ、条例改正に向けた知事の決意を問うた。
吉村知事は「議員提案でできた条例では、こういった方向に大阪府が進むべきだということが示されたと思っている。解放同盟のみなさんと意見交換をさせていただいてきたが、それ以外でもネット上の人権侵害でつらい思いをされている方の声も届いている。なんとかしたいという思いで条例の改正案を秋の議会で提案したいと思っている」とのべた。