ネット差別は「無法地帯」 吉村知事と政策懇談会

府連と吉村洋文知事との政策懇談会が5月17日、新型コロナウイルスの感染防止の観点から大阪府庁とHRCビルをオンラインで繋いでひらかれた。吉村知事はコロナ差別について「絶対に許されない」とし、コロナ禍による生活困窮支援について「自立相談窓口の活用を周知し、市町村にきめ細かな相談支援を働きかける」などと表明。ネット上の部落差別については「匿名性を背景に無法地帯になっている。状況を見極めながらできる限り早く国に要望したい」とのべた。

懇談会には大阪府の吉村知事、山口信彦副知事、橋本正司教育長らが出席。府連からは赤井隆史委員長はじめ3役が出席した。

冒頭、赤井委員長があいさつし新型コロナウイルスの感染拡大について「吉村知事がリーダーシップを発揮して一日も早く終息に迎えるように努力をお願いしたい」と要請。ネット上の部落差別については「有識者会議での議論をもとにした国への要請はコロナ禍の状況のなかで残念ながら実現していない。大阪はいち早く条例で部落差別調査や土地差別を規制した。全国に先駆けた先進性をこの問題でもぜひ発揮していただきたい」と求めた。

村井康利書記長が①「コロナ差別」禁止規定を盛り込んだ条例の制定とコロナ禍による生活困窮者支援②ネット上の部落差別に対する大阪府独自の対策③部落の所在地情報の暴露を規制するための府条例の改正④DHC、フジ住宅など企業によるヘイトスピーチに対する基本見解⑤府立高校の統廃合・再編整備で支援を要する生徒の学習支援、就職希望者の「一人一社制」の堅持など懇談会のテーマを提起。意見交換では、▽サイトブロッキングなど国への早期の要請▽和歌山県が条例で部落の所在地情報の適示を規制していることを踏まえた府条例改正などを求めた。

吉村知事はネット上の部落差別について「匿名性にかこつけて無法地帯のようになっている。コロナの状況を見極めながら、できる限り早く国に要望したい」と表明。府条例の改正については山口副知事が「府条例は業種を絞って規制するものになっており、提案を勉強させていただき検討したい」などとのべた。