Vol.130 明るく元気に前向きな「熱」を感じた府連大会

4月14日の土曜日、第65回大阪府連の定期大会が開催された。
400人規模による府連大会であったが、委員長であるわたしの手前味噌かも知れないが、例年になく活発な意見が飛び交い、久しぶりに元気ある大会であったような印象を持ったのは自画自賛だろうか。

大会参加の顔ぶれがずいぶんと変わってきているとの変化を感じたのが元気さを感じたひとつの理由だ。各支部とも少しずつではあるが若い次の世代が輩出されてきているように見えた。一支部、一地域、自分たちで経営していくという発想で、社会的起業を興そうというスローガンの定着と若い活動家の登場が重なっているように思えた。

「私がこの地域で生まれたときには、ほとんど同和対策など存在しなかった」と発言する世代の人たちが登場してきた。同和対策華やかなりし頃の「行政依存」の体質を経験したことのない世代が部落解放運動にとりくむ時代を迎えたことになる訳で、「行政依存からの脱却」というスローガンそのものが必要のない世代の誕生ということになる。
つまり、行政との関係においても交渉や糾弾という従来の手法ではなく、それこそ同じ目線で、政策を論じあうという新たな関係を構築できる可能性が増してきたとポジティブに捉えられるのではないだろうか。

そして女性が元気だ。参加者の多くに女性代議員が居てくれたことだけではなく、分散会においても多数の女性から意見をいただいた。地域で縁の下の力持ちの役割を担っているのはまぎれもなく女性であり、しかも明るい。大阪の部落解放運動が元気に前向きに発信できる背景には、こうした女性が地域を支え、運動の屋台骨を支えてもらっているからこそだ。
大会スローガンにもある「部落発の社会モデル」は、それこそ女性の発想を活かして地域の居場所、地域資源を活かしたとりくみで創造していきたいと思っている。生き生きとした女性が、地域で元気に活動する。そんな支部こそ元気な支部だ。

最後は、府連大会を全体を通じて、参加者全体が明るく元気に前向きに部落解放運動にとりくんでいこうという熱を感じたという点だ。
昨今の政治状況も含め、人権全般における厳しい情勢に変わりはない。格差、貧困、虐待、いじめ、ヘイトスピーチ、さらには政治家の発言に責任も使命も感じない虚偽と言い訳、隠蔽と自己弁護のための無責任な答弁など、政治の劣化も著しい。
日本社会を侵す病魔は深刻であり、人権が大きく後退させられる可能性さえ感じざるを得ない現状である。
こうした社会情勢を憂い、暗く厳しさだけが前面に出た大会になってもおかしくはないはずだ。それが、蓋を開ければ、笑いあり、厳しいけど頑張っていこうという前向きな「前傾姿勢」で、参加してくれた多くの代議員がいることに明日の大阪の部落解放運動、まだまだ捨てたものではないと思うのだが。・・・それこそやっぱり委員長の手前味噌か(笑)

同和対策という特別措置法の時代を体験していない世代が部落解放運動に登場し、寛容さと辛抱強さを合わせ持つ女性の活動家がよりいっそう活躍してくれそうな期待感。それを地域社会として取り込み、支え合おうとする社会的包摂型の組織という未来の解放同盟のイメージが少し垣間見られた大会であったのではないだろうか。

「地方自治は民主主義の学校である」という言葉がある。いまわたしたちに必要なことは、それをより具体的にできる、顔が見え、学ぶ場となる「教室」を設定することではないだろうか。それを今大会の方針では、“居場所、プラットホーム”と説明している。
一支部一社会的起業という運動方針の肝は、“地域立”という発想だと思う。成熟した地域社会には、地縁、血縁を離れた価値観や興味関心を同じくした人たちの絆、「智縁」であり「志縁」といったつながりが重視されるのである。その結節点としてのコミュニティづくりの試みが、それぞれの地域での新たな部落解放運動だ。

地域をステージに活動してきた経験と実践を新たな時代潮流にあわせていくこと。エコー共済における新たなポイント制やふーどばんく活動などをとりいれた地域共生社会の具体的な実践を各支部、地域の創意工夫で進めていくことが求められているのだと思う。来年の第66回府連大会は、地域での具体的な実践で課題となるであろう人材確保や資金調達などの苦労話ややりがいなどを語り合う大会にしたいものだ。

大会成功にいろんな方々にご協力いただき、支援を頂いた。あらためて感謝を申し上げる。