「貧困率」が過去最高 フードバンクにできることを

水平時評 府連書記長 赤井隆史

厚生労働省が7月15日に発表した2013年の国民生活基礎調査において、所得が少なく生活が苦しい人の割合を示す「相対的貧困率」が過去最悪の16.1%だったことが報道された。
加えて18歳未満の子どもの貧困率は16.3%となり、こちらも過去最悪だった。子どもの貧困率の悪化について厚労省の担当者は「(所得が低い)非正規雇用が多い母子家庭が、前回調査時の約70万世帯から80万世帯に増えたことなどが要因」と説明。およそ6人に1人の子どもが厳しい家庭で育っているという計算になる。

10日の読売新聞にNPO法人「フードバンク山梨」が、小学生らを集め、お好み焼き作りやバーベキューを実施していると紹介されていた。困窮している家庭の親たちは、生活や仕事に精いっぱいで、子どもの教育や成長に目を配る余裕がないことが多いと紹介されている。滞納した家賃の支払いなどに生活保護費を使い切り、電気やガス、水道が止められ、トイレが使えないので排せつを覚えられず、おむつで小学校に通っていたという小学生の女の子が紹介されていた。むろん遠足代などは払えるはずがなく、学校の遠足は休んでおり、友だちもいなかったと報告されている。

ふーどばんくOSAKAの活動をスタートさせて1年が経過した。
フードバンクの活動を提唱した意義に、最近関心が高まってきている「セルフ・ネグレクト(自己放任)」という状態に陥っている人々に救いの手をさしのべたいとの思いから発案したものであることはこのコラムでも以前に紹介したことがある。
セルフ・ネグレクトとは、成人が通常の生活を維持するために必要な行為を行う意欲・能力を喪失し、自己の健康・安全を損なうことであり、ひどい場合は、必要な食事をとらず、医療を拒否し、不衛生な環境で生活を続け、家族や周囲から孤立し、孤独死に至る場合があると言われている。意欲がない、社会に参加しようとしない、人との関わりを拒絶してしまうなど、メンタル不調は近年増加の一途にある。

家庭の貧困率や子どもの貧困率という最悪な数字は、このメンタル不調を押し上げ、さらに悪化させることにつながるのではないか。今年発覚した、神奈川県厚木市のアパートで白骨化した当時5歳の男の子の遺体が見つかった事件では、長男の男の子を放置して衰弱死させたとして、5月31日に保護責任者遺棄致死容疑で父親が逮捕された。また、4年前には、大阪市西区のマンションの一室で、幼い女児と男児の遺体が見つかったという痛ましい事件が連日報道された。

フードバンク活動が、このような事態を直接解決するとは思っていない。しかし、飽食といわれる時代に、なんらかの理由で餓死する子どもたちが、この日本社会にいるという現実から目をそらしてはいけないと思っている。そして、そんな社会に憂い、経済的に厳しい家庭の子どもたちのために場所を提供し、平日はスタッフが子どもたちを学校まで迎えに行き、無料で手作りの夕飯を食べ、お風呂に入り、洗濯した服を着て、夜には自宅に送っていくという繰り返しを行っているNPO法人も存在する。

“世の中、捨てたもんじゃない”と思う。ふーどばんくOSAKAも献身的に取り組むこうした仲間に刺激をもらい、活動をさらに幅広いものにしていきたいものだ。
やっぱり人に“優しい”社会運動でなければ、人からも支持されないし、共感は呼ばない。戒めたいものだ。