大阪府水平社100周年で記念集会

大阪府水平社創立100周年記念集会が8月6日、大阪市港区のホテルでひらかれ、各界から約300人が参加。100年に及ぶ先達の厳しい闘いに思いを馳せ、101年目からの部落解放運動への決意を新たにした。

開会に先立ち全国水平社100年を記念して寄せられた各界の識者からのビデオメッセージを上映。日本で最初の「人権宣言」である水平社宣言が朗読され、100年間の苛烈な闘いのなか、志半ばにして亡くなった先達に黙祷を捧げた。

主催者を代表してあいさつした赤井隆史委員長は「部落差別の撤廃、人権確立を求めて日々奮闘してきた。先輩たちの闘いを噛み締めながら101年目からの運動の方向を確認したい。明治維新から77年目が敗戦の年、そこに77年を加えると今年2022年になる。今の日本は1945年と同じような状況になっているのでないか。しっかりと差別と人権侵害をなくす運動、地域共生を目指す新しい部落解放運動にとりくんでいきたい」と強調した。

来賓として中央本部の西島藤彦委員長、大阪府の三ツ石浩幸人権局長、大阪市の山本功人市民局理事、大阪府市長会会長の野田義和東大阪市長、立憲民主党大阪府連代表の森山浩行衆議院議員、公明党大阪府本部代表の石川博崇参議院議員、連合大阪の田中宏和会長があいさつ。

西島委員長は「3月3日の全国水平社100年の記念集会で新たな決意を発表し、その具体化に向けた作業にとりくんでいる。映画『破戒』を制作し、大阪でも多くの鑑賞協力をいただいている。大阪は水平社、全国委員会、解放同盟とけん引的な役割をされてこられた。引き続きその役割を期待し困難な課題に立ち向かうとりくみを大阪から発信してほしい」と期待を寄せた。出席した各自治体の首長、副首長、教育長ら来賓が紹介された。

部落解放運動に幅広い立場から連帯・協力をいただいた組織外の功労者・物故者のみなさんを表彰した。
髙橋定書記長が101年目からの決意表明として府連の運動の方向性を基調提案。第4期の部落解放運動として、隣保館などこれまでの運動の成果を地域における様々な困難な状況に置かれた人たちの課題解決に活かす「地域共生社会への挑戦」にとりくんでいくことを呼びかけた。

第2部では「第4期からの部落解放運動を創造する〜地域共生社会を造る地域からの発信」をテーマにシンポジウムがひらかれた。

また府連は大阪府水平社創立100周年を記念して記念誌『大阪の部落解放運動 一〇〇年の歴史と展望』を発刊した。

大阪の部落解放運動の歴史編、今日の部落の実態編、これからの部落解放運動をどう進めていくのかについての展望編、部落解放運動から生まれた関係団体から寄稿いただいた関係機関・団体編からなる構成となっている。A5版・667ページにおよぶ大書で、大阪の部落解放運動の過去、現在、未来が見渡せるものとなっている。3500円+税。解放出版社刊。
また100年を記念した記念切手も作成。記念集会の参加者に記念品として贈呈された。