ネット差別対策で有識者会議 大阪府と基本交渉

府連と大阪府との基本交渉が8月9日、大阪赤十字会館でひらかれ、大阪府の新井純副知事、岡本圭司府民文化部長ら幹部、担当者らが出席。府連からは赤井隆史委員長をはじめ執行部、各支部の代表ら約100人が参加。府はネット上の部落差別に対して「有識者会議」を立ち上げて実効性のある対策を検討していくことを約束した。

交渉では冒頭、新井副知事が「大阪府が同和問題はもとより人権問題にとりくむにあたって、みなさんとこのような機会を持つことは大変貴重。有意義な意見交換をおこないたい」とあいさつ。

赤井委員長は「表現の自由をめぐって様々な意見が飛び交っている。ネット上にあふれる部落差別が表現の自由で片付けられるのか。吉村洋文知事は府連との政策懇談会でネット上の問題に踏み込んでとりくむ姿勢を示した。LGBT、ヘイトスピーチで条例改正の動きがあるが、部落差別解消推進法の具体化には踏み込めていない。議論を積み重ねたい」と強調した。

村井康利書記長が要求項目の趣旨を説明。今回はじめてパワーポイントを使い、大阪市の職員が連続して起こした差別落書き事件や鳥取ループが作成したネット上の「大阪府版部落地名総鑑」、「部落探訪」など今現実に起こっている部落差別の実例を紹介した。

意見交換では、特にネット上の差別問題について全国にひろがるモニタリング・削除要請の活動を踏まえて、「規制条例」の強化・改正を含めて踏み込んだ回答を求めた。

府はネット上の部落差別は誰が見ても許されるものではないが、表現の自由や通信の秘密との兼ね合いで対応は非常に難しい。府が講じることが可能な政策、国に対する要望の内容、プロバイダの状況などをふまえて、有識者による会議を立ち上げて検討をおこない、実効性のある対応を考えていきたいなどと答えた。