忌避意識いまだ根強く 大阪市と政策懇談会

府連と大阪市長との政策懇談会が7月20日、大阪市役所でひらかれた。府連からは赤井隆史委員長、村井康利書記長、大阪市内ブロック各支部の支部長ら、大阪市からは中尾寛志副市長、山本晋次教育長らが出席した。

中尾副市長が「昨年実施した市民意識調査でも結婚、住宅などで忌避意識が根強く残っていることが明らかになっている。連続差別文書など差別意識の解消に至っていない状況もある。忌憚のない意見の交換をさせていただきたい」とあいさつ。

赤井委員長は「同和行政が大きく後退し、市民交流センターが廃止され非常に厳しい状況にあるなか、どんな同和行政、人権行政が進められるのか。部落差別解消推進法案が9月の臨時国会で議論される。ヘイト条例をいち早く策定した大阪市で同法の効力をさらに高いものにしていく議論をお願いしたい」などとのべた。

村井書記長が懇談のテーマを提起。中尾副市長らが次のとおり回答した。▽市民人権意識調査で「同和地区内は避ける」と答えた市民は54%と依然強い忌避意識がうかがえる▽「部落差別解消推進法」については差別禁止規定がないなど不十分という意見があるが、差別解消に向けて活発な議論を期待する▽差別禁止、人権救済は全国一律に国で対処するべき。大阪府・市長会・町村長会で引き続き国に働きかける▽「部落地名総鑑の原典 復刻版」の出版・販売は差別を助長する許すことのできない事象。大阪府などと連携し対応を行っていく▽子どもの貧困については、今年6月から7月にかけて実態調査を実施した。9月には速報値をまとめ、施策の方針を決定し来年度予算に反映させる

意見交換では「部落差別解消推進法の議論を踏まえ大阪市でできる対応の検討を」「市民交流センター廃止後のまちづくりで各区としっかり意見交換できる場を」「学校選択制に加えて進路公開で格差がさらに広がる恐れがあり慎重な対応を」「各地で取り組まれている子ども食堂を支援できる仕組みづくりを」など求めた。