市民の暮らしをこわす大阪市の廃止・分割案(都構想)に反対しよう

政令市である大阪市を廃止し、5つの「特別区」に分割する協定書(いわゆる大阪都構想)の賛否を問う住民投票が5月17日に行われることになった。府連はこの理念無き大阪市の解体案に断固反対し、組織内、推薦議員や「府民のちから2015」とも連携しながら、この暴挙を阻止する取り組みを強力に展開していく。

その理由は以下のとおりである。

1)都にならない「都構想」
協定書のどこにも「大阪都」という言葉は出てこず、仮に住民投票で賛成多数となっても大阪府は大阪府のまま。「大阪都」にはならない。現在の東京都の繁栄は一極集中によるものであり、「都」であるためではない。「大阪都」という言葉は市民の目をくらませるまやかしである。

2)年2200億円(市民一人あたり年8万円)が府に流出
特別区は政令市よりも格段に権限も財源も劣り、大阪市民は年間約2200億円の自主財源を大阪府に吸い上げられることになる。この2200億円(市民一人あたり年8万円)の使い道を決めるのは、大阪市長よりも遠い府知事となり、結果的に大阪市民に対する行政サービスの劣化につながる。

3)2重行政解消で4000億がいつのまにか1億に
橋下市長や松井知事はかつて、「大阪都」が実現すれば2重行政の解消で効率的な行政が展開でき、年4000億の財源が捻出できると主張していたが、厳密に計算したところ年1億円程度しか捻出できないことがわかっている。

4)導入時600億円、毎年20億円のコスト
大阪市の廃止・分割にかかるコストは導入時に約600億円、以降少なくとも毎年20億円かかり、2重行政解消で捻出した1億円を遙かに上回る。

5)行政コストの効率化はどこに?
「行政コストの効率化こそが都構想のすべて」と公言していた橋下市長ですら、昨年夏ごろからは「価値観は財政効果に置いていない」と発言内容を変え、効率化がはかれないことを認めている。

6)実際のコストだけでなく、その間に費やされる人的なロスも甚大なものとなる。そして、なによりも移行の混乱によって本来行われるべき行政サービスが停滞・低下することは明らかである。

今回の「協定書」の内容は、「大阪都構想」とは名ばかりの単なる大阪市の廃止・分割案。政治ゲームの材料に市民の生活をさらすことは許されない。府連は、大阪市民の暮らしをこわす大阪市廃止・分割案を阻止する取り組みに全力をあげる。