食を通じて子どもたちを支える「子ども食堂」の取り組み

水平時評 府連書記長 赤井隆史

子どもの“貧困”という言葉がクローズアップされ始めている。
子どもの6人に1人が貧困状態にあると言われているそうである。
その背後にあるのは、家庭の貧困であり、親たちの貧困だ。とりわけ、ひとり親家庭の貧困率は50%を超えており、深刻な状況となっている。

ここでいう“子どもの貧困”とは、「明日食べる米がない」といった貧困状態に陥っている子どもももちろんだが、子どもだけでご飯を食べる「孤食」という現象も当然それに含まれている。さらには、家が裕福ではあるが、親が子どもに食事を与えない。お金だけ渡して事足りるという親も少なくないらしい。
“一家団欒”や“食卓を囲む”といった美味しく楽しいはずの食事の時間が、子どもにまったく保障されていないというのが、「子どもの貧困」問題だ。
こうした貧困状態にある子どもたちに対し、「美味しい食事・幸せな時間・栄養の確保・地域とのつながり」を安価な値段で、または無料で提供しようとする「子ども食堂」の試みが、全国各地で広がりを見せてきている。

今年度に入り、生活困窮者への支援制度が始まったこともあり、認定NPO法人ふーどばんくOSAKAにも深刻な食料相談や支援要請がひっきりなしだ。
「3,4日も食べていない」「電気もガスも止められている。何も口にしていない」といった深刻な支援要請が、生活困窮者自立支援の窓口の方々からふーどばんくOSAKAに寄せられている。
今年に入ってから急増するように貧困家庭が出現したわけではないだろう。
法律や制度が、こうした貧困家庭を浮き彫りにし、ようやく社会の課題として目にするようになってきただけなのだ。子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困状況にある子ども達に対して、ようやく政府や社会も課題に気づき何らかの手立てを打とうということのようだ。

食を通じて地域の子どもたちを支える「子ども食堂」の取り組みが、守口市で産声を上げようとしている。テレビで「子ども食堂」という活動を知った女性が、地元守口でやってみたいと声を上げたのだ。
守口市の生活困窮者自立支援事業の委託を受けている一般社団法人ヒューマンワークアソシエーション(通称:Bサポート)とふーどばんくOSAKA、それに子ども食堂をやってみたいと希望する女性メンバー、三者によるコラボだ。
食堂の実施場所の確保や回数、経費の調達など課題は山積みだ。また、子どもへの呼びかけ方法や学校など教育現場の協力など、いくつもの壁が立ちはだかっている。発育中の子どもにとって大切な食を核としながら、個々人を認めあい、安心して過ごせる居場所をつくりあげるまでにはまだまだ課題も多いだろう。

「自分の子ども以外の子のことも少しは気にかけよう!」-ということがきっかけとなり、「食事を取っていない」「栄養が確保されていない」「家で虐待を受けている」などなど、子どもの小さい変化を見落とさない地域でキャッチする機能を持とうではないかという発想からはじまった市民活動が、「子ども食堂」だ。そして、なによりも子どもの貧困状態は身近にあるということをもっと実感しなければならないわたしたちの課題でもある。
対岸の火事どころではない。遠い隣町の話しでもない。自分が住んでいる身近に“子どもの貧困”があるんだというところからスタートしようではないか。
「地域で生まれ育つ子どもたちを、地域で見守り育てる」という、少し前の社会では当たり前にあった風景をもう一度、復権させようという試みである。その風景は人々の心を豊かにし、命の尊さを知ることとなるであろう。

市民の居場所と出番は、こんな小さく地道な地域活動があっちこっちに広がっていくことに期待したい。守口市の試みをふーどばんくOSAKAとしても応援したいと思っている。ぜひ知ることからはじめてもらいたい。