いわゆる新党“中道改革連合”が旗揚げされた。立憲民主党と公明党による合流
コラム | 2026年1月23日
コラム | 2026年1月23日
いわゆる新党“中道改革連合”が旗揚げされた。立憲民主党と公明党による合流型の新党である。
両党の協力関係については、実は水面下の接触が始まったのは昨年夏頃だそうで、10月に高市政権が発足し、公明党が連立を解消してからは本格的な協議に移行したらしく、その時の想定は「おそらく1年以内は総選挙は来ないだろうという判断から、いろいろ難しい問題はあるが、じっくり煮詰めていけば間に合うだろう」という程度の議論が進行していたようである。
ところが高市首相が思いもかけぬ「早期解散」に打って出てきたため、「細かいことは全部吹っ飛ばして、一気に新党結成にまで突き進むことになった」というのが、事の真相のようである。
一方、公明党の政権離脱の頃から高市首相周辺は、立憲・公明が合流に向かおうとする動きを察知、それがさらに自民党にまで波及して石破茂前首相ら反高市派にまで手を伸ばしてくるのではないかと危機感を抱いたことが、早期解散を決断したひとつだと言われている。
1小選挙区当たり1万票〜2万票を持つと言われる公明党=創価学会票が自民党からはなれて立憲民主党支持に回るとすれば、マイナスとプラスで行って来いの2倍のダメージとなって自民党に降りかかる可能性は大だ。さらにその選挙区ごとの候補者調整を自民党の中の反高市派にまで及ぼしてくると、そのダメージはさらに広がる。そこで、立憲・公明の新党構想が整う前に総選挙を仕掛け、この動きを潰せないまでも混乱に落し入れようと、高市首相周辺は考えたのだろう。
立憲・公明両党がまさかあの短期間に新党結成まで突き進んでいった事は、高市首相にとってはまさに誤算であり、消費税の食料品関連に絞った税率ゼロの中道改革連合の政策が発表されるや否や、「自民党も消費税減税を2年間に限定した検討を加速する」と公表、「我々を気にしているんだと思う」と“中道”共同幹事長の安住氏が皮肉ったことを見ても相当対抗心メラメラで選挙戦へ突入したことを意味している。
それにしても「中道改革連合」という新党名はわかりづらい。
政治の世界で、“中立的”という態度は、いかがなものか。左-リベラル、右−保守という冷戦時代の遺物という考え方では無く、「これは人間の幸せが第一、人間の幸せより他にもっと大事なものがあるという考え方ではない、という人間中心主義です」と公明の斎藤代表は説明する。
立憲の野田代表は、「どちらかというと大上段に構えて勇ましいことを言うような政治に対抗して、国民の暮らしに直結したことをコツコツと訴え、実現をしていくという現実生活に根ざした、そういうところに中道の意味があると思います」と言う。
これをまさに同床異夢だと捉えるのか。それともSNS時代の政治において、切り抜き動画や断片的な投稿が大量に拡散され、デマ情報や差別・排外主義的な主張がバズり、過激な発言という“刺さる言葉”に支持が集まり、事実を訴えるという政治よりもパフォーマンスだけが最優先されるような政治の転換を求め、一石を投じる政党が、新党「中道改革連合」だと言うのであれば期待したい。
白か、黒かとすぐに答えを求め、ウソか、マコトかというフェイクニュース垂れ流し時代に合って、じっくりと時間をかけて、「人道であるとか平和であるとか人権であるとかというところに力を入れている政党(野田代表の発言)」として、“是々非々”ではなく、“是が非でも”やり遂げるという強い政治姿勢を示す政党として船出したのだと理解したい。
“中道”とは、決して「足して二で割る折衷とは違う」のであって、「分断と対立をエネルギーにする、そういう政治手法ではなく、色々な異なる意見を聞き、そして合意形成を図っていく、粘り強い対話で合意形成を図っていくそういう政治手法、これを私どもは中道主義、このように考えているところです。右と左の真ん中という意味ではなく、大きく包み込む包摂主義、共生社会、これを目指していくということも中道主義の一つの側面だと思います。(斎藤代表発言)」。
新党中道は、「左」を切るという意味ではなく、リベラルとも手を組んで少しでも対抗力を強めるという政治スタンスをさらに拡大していってもらいたい。「中道改革連合」の設立が、政界再編前夜の闘いやも知れぬ事に期待して総選挙の開始である。共に奮闘を!